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「若い世代への あなたのメッセージを募集中」 
「戦前・戦中・戦争直後の時代を生きてこられた方々から、若い世代へ伝えておきたいメッセージをお寄せ下さい。戦争時代の生活体験に根ざしたものを歓迎します。400字以内でお願いします。」「会の方で掲載にふさわしいと判断させていただきましたメッセージを、適時にホームページに掲載させていただきます。」
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◆身近な平和をつないで大きな平和へ
一母親 長野 玲子

こんにちは、長野玲子と申します。こちらは娘の萌子(もゆこ)です(拍手)。

 私は一母親という立場で発言させていただきます。私の知人で永年平和活動をされている方がありまして、今から3、4年前にその方から平和活動に興味はないかと問われたことがありました。その時の私の率直な感じですけれど、まだ私にとって「平和」ということがとても大きすぎるテーマに思えてピンとこなかったんです。世の中が平和であってほしいという気持ちはありますが、何をどうしていいのか分からないという状態でした。


多分その時は、どこかでまだ他人事だと感じていたんだと思います。その後しばらくしてテレビの報道番組で、劣化ウラン弾の影響についての特集がされているのを見たり、それから9・11テロ、イラク戦争、自衛隊派遣、憲法改正への動きなどを思うと、世の中の動きが段々緊迫してきているんじゃないかなーと感じるようになりました。

 湾岸戦争のときとイラク戦争のときとで、私の中で感じ方が変わってきたのは、私が母親になったからだと思います。イラク戟争が始まってから、この子たちとの会話のなかでも戦争を話題にすることとがしばしばありました。ですけれど、そんな時、私自身に戦争体験がありませんので、この子たちにどう戦争のことを伝えていったらいいのか分からなくて、ただ「怖い」という一言でしか語れないんです。

 でも、やっぱりこの子たちにも「戦争は恐ろしい」ということを伝えたいと思いましてそのために、じゃあ自分は何ができるのかと考えるようになりました。それで今年初めて平和行進を歩きました。それから、行ったことのなかった広島も訪ねました。広島では被爆した方の話を聞いてきました。8月15日は終戦記念日ですけれども、被爆された方々は今も苦しみ続けていて、辛かった体験を昨日のことのように話されるんです。戦争はまだ終わってないんだ、と感じました。59年経っても60年経っても事実は消えないんです。原爆資料館では、ある資料説明のなかに「原爆ドームが年々小さくなっているような気がする」という言葉がありました。周りに近代的なビルが建ち並び、存在感が薄れてゆくのでしようか。でも、私たちのなかでは永遠に大きな存在感を保っていかなければならないと思っています。

 広島へ行く道中、目を通した資料や現地へ行ってから目にしたもの・開いたことに胸が痛くなり、言葉を失うものばかりでした。同時に、いかに私が無知であったかを思い知らされました。そして私が怖いと思ったことは、そういった事実を知らなくとも私たちは日々生活していけるということです。

 生活が成り立っていると錯覚しているのかも知れません。それに気がつかなければ取り返しのつかないことになるんじゃないかと思うようになりました。

 そこで、特別な活動ではない、日常のなかで生活に密着した視点で、平和を考えることが大切だと思いました。憲法9条をアピールする、守りたいという運動がさまざまなところで、いろんな形で進行していることも知って、―私が着ているこのTシャツもそのひとつですが―そういった取り組みを少しでも広めていきたいと考えるようになりました。平和を考えるきっかけ作りとしてインターネットでの掲示板を持ってみたり、私なりにできることを少しずつ進めているところです。

 もし今、日本で戦争放棄の憲法9条が改正され、もし再び徴兵制度が復活してしまったらどうなるのか。大切なパートナーや子どもたちを戦場に送り込むということがどういうことか。やられたからやり返す、攻められるかもしれないから先に攻撃するという、子どもの喧嘩のような発想で、武器を持つことには反対します。平和な世の中を作っていくために必要なこと、それは、私たちが想像力と対話力をもって生活することではないでしょうか。そして、家庭や地域、学校、職場など日常生活のなかで身近な平和をつないでいくことが、大きな平和に結びつくと信じています。ありがとうございました。